解体の演劇が「非常の90年代」を捕獲する—

この劇は、解体社がこの90年代に発表してきた身体と権力を巡る諸作品の集大成もしくは総決算ともよぶべきものです。
わたしは、この上演空間に出現する身体たち—彼/彼女らのボディ・ポリティクスが、機能不全に陥った我らの90年代を<証言>し「歴史化」する、
その可能性に賭けています。メディア・イメージが造り出す表象のアリーナを破砕しつつー

さよならだ  美にも 豊饒にも  「歴史」は再開した

バイバイ —退化の世紀へ—

Bye-Bye; Into the Century of Degeneration 1999

構成・演出 清水信臣


今回の舞台は、私たち解体社がこの90年代に発表してきた身体と権力を巡る諸作品の集大成です。とりわけ「The Dog」('93)「Tokyo Ghetto」('95)「零カテゴリー」('97)といった私たちの主要な舞台作品を貫く身体論的主題、すなわち性差間の、階級間の、人種間の「闘争の場としての身体」の出現とその消滅のドラマが—都市におけるヴァーチャルな性、ディシプリンに赴く復古的な肉体、そしてアナーキックな混迷へと放置された「東京難民」たちの日々の営みがー静謐にまた激越に舞台上に綴られてゆきます。そしてこの「身体のドラマ」を、今世紀を彩った世界の重要な舞台芸術の理念と照応させつつ、「挑発的」な政治性を秘めた新たな「イメージの演劇」として呈示したいと思います。「回復」に向けてのあらゆるプログラムが瞬時に失効してゆく現代世界において、いったい、人間身体はいかなる状況に置かれているのか—その問いに対し、私たちはこの舞台で「切迫性」と「緊急性」をもって応えたい、そして同時代にいきる私たちの生存の形を、「終り」を前に立ち尽くす「地上の亡命者」としての極限的な人間の姿とその条件を、顕わにできればと考えております。

--パンフレットより


一場) ミッドナイト・パーク
二場) 「世界身体」史
三場) 白日のレジーム

出演/ Performers
熊本賢治郎
日野昼子
中嶋みゆき
森山雅子
野元良子
山形美津子
高田美穂
長谷川知子
浦添尚文
小池俊二
青田玲子
圡本正
ゲスト
田野日出子

STAFF
舞台監督/三津 久
技術監督/秦 岳志
照明/河合直樹 (有)アンビル
振付/日野昼子
音響/水谷雄治 (株)アンテナ
操作/長谷川和宏 後藤隆幸 久保仁志
美術協力/桐 健二
舞台写真/宮内 勝
宣伝美術/Studio Terry "overground"
協力/安藤ゆか 野中真 山口恵司 栃秋太洋 赤岩和美 
   浦山眞理子 中島智久
制作/栗原まゆみ
   飯田幸司
主催
劇団解体社
世田谷パブリックシアター
助成 
公益財団法人 セゾン文化財団