セリーヌの世紀 三部作
わたしたち劇団解体社はこのたび、2015年12月10日(木)~15日(火)、2016年1月28日(木)~2月2日(火)、3月24日(木)~29日(火)の日程で、会場は市ヶ谷・左内坂スタジオにて、『セリーヌの世紀 三部作』を上演するはこびとなりました。
20世紀世界文学を代表する巨人でありながらも、総力戦の時代を象徴する「国賊作家」「戦犯作家」として世界中の敵意を買ったルイ・フェルディナン・セリーヌ。彼の残したテキストと向き合いながら、新たな「証言の演劇」の創造を試みる三部作です。
『夜の果ての旅』があまりに有名なセリーヌですが、第二次大戦前・中に発表された反ユダヤ主義パンフレ三部作がもとで、連合国の戦勝間際には亡命を余儀なくされ、亡命先のデンマークでは入獄の憂き目に遭います。それらの反ユダヤ主義文書はヨーロッパをはじめ世界中でいまだ発禁となっていますが、日本では特例として、国書刊行会から世界唯一の政治パンフレをも含んだ作品集が刊行されております。
セリーヌは戦後帰仏してから発表した作品群において、筋が混線し事実を捩じ曲げてやまない自身の亡命行をテーマとした諸作品をさして、忠実な「年代記」であり、ありのままの「証言」であると述べていますが、それはアガンベンが『アウシュヴィッツの残りのもの』で論じたような、事実レベルとは一線を画した、「証言不可能なものの証言」として、いまだ聴き取り不可能な声として、日常生活=総力戦を告発し続けています。
セリーヌという身体を媒介にしながら「総力戦」が主体として筆をとったという感すら与える彼のテキストとは、今後も長い付き合いになりそうですが、そのスタートとなりますこの三部作にぜひ立ち会っていただければありがたく思います。
- 日程/ Schedule
- 第一部 [ベベール年代記]2015年12月/10日 [木]・11日 [金]・12日 [土]13日 [日]・14日 [月] ・ 15日[火]
- 第二部 [虫けらどもをひねりつぶせ] 2016年1月/28日 [木]・ 29日 [金]・ 30日 [土]31日[日]・2月/1日 [月]・ 2日 [火]
- 第三部 [夜の果ての夜]2016年 3月/24日 [木]・ 25日 [金]・ 26日 [土]27日 [日]・ 28日 [月]・ 29日 [火]
- 開場/Doors Open PM 7時45分・ 開演/Start PM 8時
- 会場/ Space
- 劇団解体社アトリエ 左内坂スタジオ (東京・市ヶ谷)
- チケット/ Ticket
- 2500円・三部作通し券6000円/完全予約制
- ※劇場の構造上、客席数が限られております。お早めに、必ずご予約下さい。
- ※三部作とも2015年10月18日(日)10時より予約開始となります。
- 予約・問い合わせ/ Booking
- *予約フォームはこちらです。
- 第一部
- 第二部
- 第三部
- *Phone/Faxでのご予約・お問い合わせは、
- 03-6674-1290(劇団解体社)
- Emailでのご予約はこちらのアドレスから
- ※件名に「セリーヌの世紀 観劇予約」とお書きいただき、
- お名前、ご観劇日、枚数をご記入の上お送り下さい。
構成・演出/清水信臣
- 出演/Performers
- 熊本賢治郎
- 日野昼子
- 中嶋みゆき
- 青田玲子
- 石井康二
- 本間良治
- 矢部久美子
- 毛利綾花
- 福島恵実
- 森澤友一朗(ピーチャム・カンパニー)
- 杉浦千鶴子(ラドママプロデュース)/ 第三部に出演
- ゲスト/Guest (第一部に出演)
- Mads Mazanti Jansen(Denmark)
- スタッフ/ Staff
- 照明/河合直樹 (有)アンビル 能勢山和則(第三部)
- 振付/日野昼子
- 音楽・音響/落合敏行
- テクスト監修/森澤友一朗 Mads Mazanti Jensen
- テクスト協力/佐々木治己
- 映像・技術監督/鈴木宏侑
- 宣伝美術/Studio Terry "overground"
- 劇中使用絵画/ひのひるこ
- 制作/森澤友一朗 解体社制作部
- 協力/佐々木治己 赤岩和美 舞藝舎
- 舞台写真/宮内勝
- 映像撮影/遠藤司
- ボストトーク(2月2日)
- 講師/千坂恭二氏
- 助成/ Support
- 芸術文化振興基金