プロセニアム或いは甲冑の時代

The Proscenium/TOKYO GHETTO

構成・演出 清水信臣



  国家は「自由の保証」に自己の正当化を夢見る
  肉体は「強度の規律」によって国家の〈外部〉に存在する
  この〈外部〉は戦場である
  むろん「戦場には事実と行為しかない」
  緞帳が上がる
  独房に
  純白の〈甲冑〉を身につけた女たちが7体
  露ほども媚態なく
  突っ立ったまま死にざらして
  男が彼女たちの独房内を順に巡り歩いている
  犬の遠吠えが谺する  
  聳えたつ壁
  男の影
  男の顔
  男による女たちの背中への〈殴打〉
  壁沿いを巡視するもう一人の男
  殴り疲れ休息する男
  再び男による女たちへの太股への〈殴打〉
  男による己れの太股への〈殴打〉
  忘我そして衰弱
  女たちによる己れの太股への〈殴打〉
  反復の威力が空間を支配する
  「反復を売り渡してはならぬ 
   反復をなにかに置き換えてはならぬ
   反復は断じてメタファーではない」
  モルモット・ピエタ
  憤怒の類型
  微笑教育
  9条切片とノイズ・アリア
  男はイヌになる
  東京ゲットー 我らが母国
  この残忍で幼稚な文化の愚劣な管理を生きのびるために

(パフォーマンス・スコアより)

出演/ Performers
熊本賢治郎
日野昼子
中嶋みゆき
丸岡ひろみ
飯田幸司
小杉佳子
森山雅子
高田美穂
野元良子
山形美津子

STAFF
舞台監督/ 飯田幸司
照明/河合直樹 長谷川和弘
音響・映像/秦 岳志
舞台写真/宮内 勝
宣伝美術/Studio Terry
制作/丸岡ひろみ
主催
東京国際舞台芸術フェスティバル実行委員会'95実行委員会
(財) 東京都文化振興会
劇団解体社

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