空虚は去り、愚劣の時代がやってくる

TOKYO GHETTO

構成・演出 清水信臣




火薬の匂い
事物は干からび黄色く悲鳴をあげていた
渇ききった首を両の拳で締めつける
寒気が背骨を駆け抜ける
慎重に手首を硬直させ静かに拳を上下させた
指先が己の血脈を進む
いたる所で連結されている血の流れとの結合
指は世界を止めて血の運河に沿って旅をする
取り囲む看守たちの百の顔
彼らのすべてを己の眼球の表面に映させる
喉の奥底に潜んでいる無数の動物の群れ
地に吐き出される群れとそれらの声
天安門の虐殺に抗しひとり地を這う虫けらとなって山道を躄る老人の如く
「最低の馬鹿になること
表現が最低の水準に堕ちなければ訴訟できないことがこの世にはあるのだ」

監視
昼の男たちの下等な労働
快楽
夜の女たちの苛酷な労働
煉獄における
昼と夜の共出現
「愛は終了され すでに終了され」
暴力
苦痛
「互いの血を欲しがるまで欲望しあい所有しあい」
合一への願いが
共同性の限界をさらけ出す

汚辱に晒された肉体
星に見放された肉体
「それが捉らえ難くみえるのは、隠すものがもはや何もないからである」


(パフォーマンス・スコアより)

出演/ Performers
熊本賢治郎
日野昼子
中嶋みゆき
丸岡ひろみ
小杉佳子
森山雅子
高田美穂
野元良子
山形美津子
飯田幸司

STAFF
照明/長谷川和弘
音響・映像/秦 岳志
舞台写真/宮内 勝
宣伝美術/Studio Terry
制作/丸岡ひろみ

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