@Archa Theatre, Prague, Czech (9.29ー30/2006)
@ Klub Żak, Gdańsk, Poland (10.5-6/2006)
@Riverside Studios, London (11.27ー12.2/2007)
@OWL Spot/あうるすぽっと, Tokyo (3.6ー3.9/2008) 

Bye-Bye: Reflection

構成・演出 清水信臣


一場 退化あるいは「群れ」の諸様態

(Devolution, or phases of a "pack")

「退化」とは必ずしも「退行」を意味するものではありません。ここでは、高度情報化・監視社会における生のあり方、つまり自己の内にある「身体性」を監視し、これを不断に「外」へと排除することで成立するような生の様態への応答として、例えば「動物」(その存在のあり方は個体としてよりも先に「群れ」として規定されるものです)的なるものを参照しながら、排除されたものとしての「身体」とその歴史を、粉飾を排した厳密な空間の中で俳優の動きを中心に検証します。



二場 誘惑/反省(Temptation/Reflection)


ここでは反復される「戦争の世紀」の歴史性と、一場で扱われた「身体」の歴史性とが切り結ぶ可能性、ひいてはその不可避性のより「演劇的」な表現が試みられます。具体的には中東の戦争犠牲者、絶滅収容所の「ムーゼルマン」、そして従軍慰安婦といった者たちの「亡霊」が、我々を「誘惑」に抗ってReflection=「反省的思考」へと向かわせる、あるいは「反省的思考」へと「誘惑」する歴史の「幻影」として到来し、演劇の身体表現を成立させるのは身体そのものの実在性や現実性ではなく実はこうした「幻影」に他ならないことを明らかにするとともに、超歴史的な「生」の躍動といったものに傾きがちな演劇的思考に、現代の「死」を思考する能力を付与することを試みます。