日豪国際コラボレーション作品
Australia-Japan Intercultural Collaboration Project
遊行の景色 X ―戦争身体―
The Drifting View X: Bodies of War
3.27ー29 @オーストラリア大使館/Australian Embassy, Tokyo
構成・演出 清水信臣/Shimizu Shinjin
わたしのいう「戦争身体」とは、ほかならぬわたしたちのこの「身体」が戦争によって見いだされてきたことを表しているのだが、それはまず「人間」によって、「人間」と「身体」が区別されることから始まる。つまり「身体」は「人間」ではないということだ。「人間」は「身体」を「人間」よりも劣位に置き、かつこれを、このままでは生きるにあたいしない野蛮な動物のようなものとみなす。「人間」はいう、「身体」は放っておけば何をしでかすかわからない、だから啓蒙によってこれを「人間」へと導くのだ、と。まさにこのような啓蒙の果てが「戦争の世紀」を生み出したのであると考えるなら、「戦争身体」は、「身体」をこのように考える「人間」へのひとつの応答であり、あくまでこの関係においてのみ生起する幻影なのである。
それは見えない、つまり「戦争身体」は戦争を表象することができない、もとよりそれは不可能なのである。「人間」である限り「身体」を見ることはできないからだ。そして通常、わたしたち観客は「人間」である。
「9.11 同時多発テロ事件」は、おそらくこの「人間」と「身体」の区別そのものが、あとかたもなく破砕され、かつ両者が合一したことを意味している。「人間身体」の誕生ーそれは「グローバル化された戦争身体」の全面的な出現にほかならない。
- 出演/ Performers
- 熊本賢治郎/KUMAMOTO Kenjiro
- 日野昼子/HINO Hiruko
- 中嶋みゆき/NAKAJIMA Miyuki
- 浦添尚文/URASOE Hisafumi
- 青田玲子/AOTA Reiko
- 延増靜美/ENSO Kiyomi
- 五嶋久美子/GOTO Kumiko
- Jeff STEIN (Sydney)
- Denis BEAUBOIS (Sydney)
- Bronwyn TURNBULL (Sydney)
- Simon HALL (Melbourne)
- Adam BROINOWSKI (Melbourne)
- Madz Mazanti JENSEN (Denmark)
- 音楽(ライブ)/ Music
- Oren AMBARCHI (Sydney)
- スタッフ/ Staff
- [舞台監督/Stage Manager]三津久/MITSU Hisashi
- [照明/Lighting]河合直樹〈(有)アンビル〉/KAWAI Naoki
- [音響/Sound]落合敏行/OCHIAI Toshiyuki
- [宣伝美術/Flyer Design]STUDIO TERRY "overground"
- 制作/Producer
- 秦 岳志/HATA Takeshi
- 主催
- 劇団解体社/Gekidan KAITAISHA
- 共催
- オーストラリア大使館
- Australian Embassy, Tokyo
- 助成/ Support
- 文化庁・日本芸術文化振興会 舞台芸術振興事業
- Australia Council
- NSW Ministry of the Arts
- This project has been assisted by Arts Plan 21, NSW Ministry for the Arts and the Commonwealth Government through the Australia Council, its arts funding and advisory body.